<<解説>>

かつての「古い家・古い門」の新しい姿である。日本人が住むとこう変わってしまう。（今は再びアブラハム氏邸となっている。）

壁は真白で、鎧窓とのコントラストが強いが、前の泰山木の樹との調和は美しかった。絵には白壁に影のやわらかいニュアンスが出ていて、好きなものの一つである。

前のレンガ塀は道路拡張でこわされてしまったが、非常に心ひかれるいい色調であった。

門柱の、間に石をはさむこのレンガの積み方は、フランス革命の直後に用いられた形式で、石が不足したのでレンガと石を交互に用いたことから始まったといわれるものである。