作品紹介

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灰色の家

灰色の家
油絵・S20号(68×68)/ 制作=1967年

油彩3
北野町の古き家 グラッシャニ氏邸
赤レンガ塀の家 灰色の家
水色と黄色の異人館 陽の当る家々
旧、英国人アブラハム氏邸 楠の大木のある家
異人館と階段 北野町の白い家
<<解説>>

これも前作と同じく、大作のためのエスキースである。一年かけた制作作品は、新制作に出品、好評を得た。これも小さいが、楽しめる絵である。

多くの異人館とはちがい、ここは灰色のモルタルがぬってあった。この灰色のカベの、メジが光線の具合で上が影になり、下側は陽が当ってキラキラしていて、非常に美しかった。

ところが、調子が出て描いているときに、ロシア人のマダムが出てきて「キタナイ、キタナイ」という。僕は絵のことかと思い「バカ言え!!」と大声を出すと、そばの女の人があわてて小声で、“あの家は相続でもめて、そのことをキタナイ、とこぼしているのです”ととりなしたのだった。

澄んだ光線が、実に美しく灰色を変化させ輝かせていた場所だが、後に入り込んだルンペンがボヤをだし、とりこわされてしまった。