<<解説>>
北野町4丁目の山本通りに面した建物である。持主のグラッシャニ氏夫妻はフランス人で、窓の外におく植木鉢をトリコロール(フランス国旗の赤白青の三色)にぬりわけて楽しんでいた。
家の手入れが非常によく、ガレージの白も昔と変わっていない。入口のポーチの下に、赤や黄、緑のステンドグラスが残っていて、午前に招かれた時など光が映えうつって非常に美しかったのをおぼえている。ガレージも、ペンキの色も昔と変わっていない。
右手の樹は、しだれ夾竹桃というめずらしいもので、風情があった。
絵としては、落ち着きのある好きなものの一つだ。
ただ、ここの出窓は絵にかいても右から見る感じと左から見る感じが異ってしまい、大いに苦心したものである。僕など、「八方にらみの窓」とニックネームをつけて呼んだものである。