作品紹介

素描 油彩1 油彩2 油彩3 油彩4

山本通り3丁目風景

山本通り3丁目風景
油絵・P30号(68×91・)/制作=1937年

油彩1
英三番館 オリバー・エヴァンス商会
ガス灯のある風景 元居留地・浪花町風景
江戸町懐古 古い門・古い家
山本通り風景(グリーンのよろい窓) 山本通り3丁目風景
両替店 白系ロシア人の家
<<解説>>

トア・ホテル華かなりし頃である。左手に白地に赤い字でTELとみえるのは、トア・ホテルの看板の一部だ。

神戸の山手はまだ車も少なく、家々の前には樹が茂っていて、壮快だった。しかし、画面奥手に当る葺合区の方の空は、製胴所ができたため、いつもピンク色にけむっていた。公害はすでにこの頃から始まっていたのだろうか、春先から夏にかけては六甲山も見えなくなるほどひどかったのを覚えている。

街路を拡げるため、しばしば塀を家に近づけていった。道路のアスファルトは何回もぬり加えられ、かなたに見えるレンガ塀の石の土台などは見えなくなってしまった。

この絵は異人館の群れ、集っている感じをかきたくて、こういう構図をとったが、今はビルが間にたくさん建ってしまい、こうした絵はもうかくことができない。