<<解説>>
浪花町は、現在の市民グラウンドの西がわの南北の通りであるこの建物はもとフランス病院で、白い壁にコバルトに近いブルーグレイがしゃれていた鎧窓を開けた所に花を置くのはフランス窓の特徴だ。
この頃は商館になっており、2階は居住用になっていた。2階の外壁には、世界万国博で賞としてもらった皿がかざられ、この商会の歴史をつげていた。
建物にも誠実感があり、理想的なフランス風建築だ、と、力がこもった。
やがて住居人は山手に土地を求めて移ってしまった。北野天神からトアロードの東側までの広い土地がハンター氏のもので、それが分譲されたりした。
浪花町のこの建物も、戦災消失である。