作品紹介

素描 油彩1 油彩2 油彩3 油彩4

ガス灯のある風景

ガス灯のある風景(元居留地・九十一番館)
油絵・F30号(72×91・)/制作=1934〜1936年

油彩1
英三番館 オリバー・エヴァンス商会
ガス灯のある風景 元居留地・浪花町風景
江戸町懐古 古い門・古い家
山本通り風景(グリーンのよろい窓) 山本通り3丁目風景
両替店 白系ロシア人の家
<<解説>>

商館と舶来レンガ積みの倉庫である。
古ぼけた三つの門柱のリズム感と、長い間風雨にさらされた門扉のトーンがおもしろいレンガは舶来といっても、一番美しい装飾用のものではなく、その色に苦心した。

ガス燈はサオで火をともすのだが、この頃はもう使われていない。

時はまさに支那事変の頃。香港や支那への輸入はピタッと止まってしまい、商館員は帰国し、“TO LET…”の札がかけられた。

まだ新制作派の会員になるかならぬか、という頃の作品である。毎朝6時から9時までこの絵をかき、朝めしを食べに一度帰り、それから「英三番館」をかきに行く、という日が3年間続いた。おかげで早朝に来る牛乳屋さんと親しくなり、毎朝1本ごちそうになったのがなつかしい。

その頃はまだ技術が幼稚だったので、こんなに長い間かかったのだろうか、絵には愛情が十分に出ていると思う。