黄緑のへいの北野町風景
油絵・S30号(72×91)/ 制作=1952年
<<解説>>
これも北野町の小径の風景である。
1957年に渡仏、思う存分、古いヨーロッパの街並みを描いて帰国した頃の絵だ。
親友であった信清誠一氏と、よく「詩情こそ絵の生命だ」と語りあったが、これはその詩情がごく自然に出た絵だと思う。
僕の、喜びや悲しみがやわらかくこめられているようで、自分の一つの時代。
ヘイの青さ、赤い門扉、レンガの台石、灰色のカーブした塀と、地味な色の組み合わせが気に入っていたこのあたりも、今は車の道となり、ヘイもくちてしまった。