<<解説>>
焼きおちてしまった異人館を見まわりに行った時だ。このオランダ領事館はちゃんと旗をたて、コンシュラーの看板をつけていた。非常に嬉しかった。
さっそく絵をかき始めるとMPのものか、ジープがやってきたので、それも構図にとり入れた。(この頃の車というのは、ほとんどジープだった。)
絵としては素直に、きちんとかいていると思う。この建物を戦前戦後を通じ3回描いているが、構図は全部ちがっていて、これは戦後の新しいものである。
2階の右手に、少し下がってついている鎧窓は階段の明かりとりの窓のもので、鎧窓の一つ一つの大きさを違えてあるところなど設計者の工夫のあとがみえるようだ。僕としては、もう少しじっくり書き込みたかったが、住人がどんどん変わり、そのたびに出窓などつくり変え、色を塗り変えるので、つっこめなかった。
もとは個人の家だったのだのだろう、一時期は白い壁にコバルト・ブルーの鎧窓で、それはきれいだったが………。