山本通り風景(黄土色の壁の家)
油絵・F30号(72×91)/ 制作=1950年
<<解説>>
終戦からしばらくたっての絵である。焼けてしまった小磯氏のアトリエの跡に、アメリカ式の教会が建った。画面奥手の赤いトンガリ屋根の建物がそれである。アパートはまだなく、昔の山本通りの面影もしのばれた。逆に工場街が焼けてしまったことで、空気は澄んでいた。道ははるかまで見通しがきき、教会付近で一度下がった坂がまた登りになっていて、おもしろい気分であった。
今は異質な建物がふえ、こういう街全体の絵はかく気になれない。