7.華僑総会の裏通り(現存)
この建物は山本通二丁目の通りに面したところに入口の階段のある異人館である。
この異人館は玄関の正面から入らず、横から入るところに問題がありそうだ。おそらくこの家の地所は、この階段の入口から切りとられたのではないかと思われるふしがある。帝国酸素の技師の家だったと聞いている。表側の広い応接間には、小品ながらも相当立派な絵がかかっていて、とても楽しい。
ここで華僑総会の重役さんに作家・陳舜臣を紹介していただいて嬉しかった。この絵はその華僑の北側の小径で描いた絵だ。黄緑の鎧窓に白塗りの異人館と煉瓦の組合せがおもしろくて描いた絵である。
この建築を作った最初の人はおそらく英国人であったと思われる。なぜなら、煉瓦が英国積みだからである。異人さんはプライドを持っていて、各自国の煉瓦積みをしている。これの溝の底は大きな特別の煉瓦で覆われているので、土が流される心配がない。だから高い石垣も崩れることがないのである。