神戸異人館今昔

25.ドクトル・メヂト医院(現存)

ドクトル・メヂト医院

これはフデセック氏の医院で、北野町三本松の地蔵さんから西へ三軒目にあるコンクリート建の建物である。おそらく明治末か大正初期の建物であろう。左側には元白系露人の家、現在はイタリア人が住んでいる家がある。

この建物は裏側、すなわちこの門と反対側になる南側から見た方が異人館としての特徴が出ているが、描く場所が狭いため表側にしたものである。

右側が出窓の鎧窓、煙突は正面と側面の境界線の上の屋根のうしろに見えている。門などの作りはかなり古風だし、鉄棒の一本一本に飾りのついた鉄柵もおもしろい。鎧窓の色はマルスヴァイオレットである。門柱も帽子付で相当こったもので、昔の居留地門柱を思い出し、明治末期の建物かとも想像される。

とにかく手入れがよくゆき届いていて、とても楽しい建物である。