作品紹介

素描 油彩1 油彩2 油彩3 油彩4

最後の異人館

最後の異人館
油絵・F100号(130.3×162)/ 制作=1972〜74年

油彩4
神戸異人館の建設者ハンセル氏邸 山本通りの異人館
渡り廊下のある異人館 丸と角の出窓の家
最後の異人館 塗り変えられたスタディ二ック氏邸
陽の当る家 冬のスタディ二ック氏邸
桃色の家 初夏の神戸
<<解説>>

もうこれが異人館の最後だろうという思いで描いた。

自分としても、ある傾向の描写の、一つの終点だと思ってかいたものである。100号であるが3年間をかけて細い筆まで使って、こつこつと描いたものである。

家々の重りもかきたかったしよごれたレンガべい、雨にさらされ、手あかのついたドア、なども描きたかった。私はこうした使い古した人の歴史のあるものが好きである。

家はすでにかなりいたんでおり、バルコニーのドアなど絶対に開かなかった。

絵は3年間、こつこつと描いた。70年頃の明るい情熱が消え、また重厚にかきこもうとしたが、最後にはいきづまりを感じた苦しい絵である。

そしてこれからは又、詩情へともどっていかなければならないと思っている。